07/04/2006
藤本由起夫さんの書籍
workroom杉谷さんが、直接gift_labに納品にきてくださいました。
きっかけは先月、太谷記念美術館でおこなわれた、「美術館の遠足10/10 藤本由起夫展」に
行ったことから。
サウンドアーティストである藤本由起夫さんの展覧会で、10年間続けて毎年1回、
1日だけ行われていたもの。
(この開催のしかただけでもユニークですが)最後の回になって初めて行くことができた。
美術館のほとんど全てのドアが開け放たれていて、順路もなく、
何かを発見するように歩き回る。まさに遠足。
展示用のガラスケースまでが開け放たれていて、自由に入ることができたり、
作品が展示室の余白をかなりとってポツンとあったり、時々隠れていて音が鳴っていたり、
この美術館自体が展示物の為の建築ではなく、展示ツールそのものにもなっている。
まさにインスタレーションであり、サウンドアートであり、インタラクティヴアート
であったのだが、難しく考えなくても、(難しく考えても?)それらを感じることが
できるあたりが、藤本さんのすごいところ。
ここまでわかりやすく、かつとらわれない展示というものをあまり見たことが無い。
西宮市の方には無料で解放しているとのことで、美術館の中を子供たちが楽しそうに
歩き回っていたのも象徴的。
そのときに過去9年分のカタログも全て売っていて、それが毎回違うスタイル
(写真集/エッセイ/作品メモ等。装丁やパッケージもまちまち)になっていて、
楽しみつつ考えつつ作られている感じがとても良かった。
当然全て購入。大人買い。
藤本さん本人にもお会いすることができ、思わずそのときに
gift_labで置きたい旨を相談したところ、「いいですよ」と快く。
そして実際の書籍のやり取りについては、ということで workroomさんを紹介して頂いた。
(gift_labでいま扱っているのは、
「美術館の遠足」の10/4,6,7,8と、「目と耳の20世紀」,「on the hill」という書籍です)
藤本由起夫さんの存在を知ったのは、実は13年ほど前。
MUSIC TODAYという雑誌で見かけて。
サウンドアートと呼ばれるものが、体系的にとらえられ始めるようになったころだと思う。
そして同時に、僕がサウンドアートというものに興味を持ち始めた頃でもある。
そしてその時私は、社会人としての最初の一歩を踏み出したばかりだった。
それから4年後の1997年には、既に「美術館の遠足」は始まっていたことになる。
10年間通して、一年の中の一日を決めて何かをしたことはあっただろうか?
いまようやく、自分が考えるべきことについての最初の一歩を踏み出そうとしている。
そう思った時、「空間と音」ということが藤本さんの思考の中でもかなり
重要であることを書籍のどこかで見つけて、勝手に因果みたいなものを感じている。
(gt)