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07/28/2007

TECH-MAC-MAYACOM-日英コンテンポラリーアート展


http://www.tech-mac-mayacom.com/
日英の若手アーティストの作品が見れる展示。このあとロンドン、ニューヨークへ巡回するそう。
kurkkuの栗田くんからのお誘いにより、この展示の空間構成に関わる事になった。
彼は、今回アーティストのオーガニックコントンのTシャツの製作と販売にたずさわっている。

TECH-MAC-MAYACOM(テクマクマヤコン)、最初このタイトルだけ聞いた時、なぜこの名前になったのかと言う疑問と興味がわいた。もちろん、由来のもとは周知のことではあるが、それが「テクニカル・マジック・マイ・コンパクト」の略であったことは、知らなかった。
最初は、正直そのタイトルが少し狙っている感じがしていて、どういうものになるのかによって大きくその意味合いは変わるなーと思っていた。
しかしキュレーターの永井さんらとお会いし、話してみるとその純粋さに不思議な感覚を覚え、最初の不安は全く僕自身の考え過ぎだと思った。それは後に、むしろ他のタイトルは考えられないくらいに全てのイメージが合致していくことになる。

そして会場であるフランク・ロイドライト設計の明日館の揺るぎない存在感を実際に体感し、この展示の方向性ははっきりしてきた。
建築内を無理に会場として仕立て、演出する必要は全くなく、ライトの建物の中にある特別なデザイン性が、長い時を経て日常になじんだその空間を充分に楽しみつつ、そこにちょっとした寓話的違和感として作品が存在する…。そんなバランスで考える事が出来た。それがTECH-MAC-MAYACOMのイメージとも合ってくるように思った。
それは、僕が考えるまでもなく最初からそうであったかのように。

それから、興味深かったのは、出展14人のアーティストやサポートするスタッフのつながりの強さ。
クラスメイトのように仲が良い彼ら。それだけであれば、学園祭のような展示になってしまうのだが、作品のクオリティはどれも高く、その個性と、テーマ・スペースなどとのギャップとバランスのはまり具合に、完成度の高さと可能性が伝わってくる。変に無理な自己を主張する事も必要ない。
この辺は、キュレーションがすばらしい形で実っているからだろう。

どのようにしてそれが実現したのかということが、次第に分かってくる。
しかし、どのような効果をもたらすのかという事を計算しているという感じもなく、全く想像以上に素敵な展示となった。


設営からオープニングを経て、キュレータの永井さん初め、テクマクのチームにはそういう不思議なLUCK(運)が備わっいるのだと感じた。
東京で展示をすることがあとから決まった事や、会場が明日館となった経緯や、協賛、協力している人々のつながり方や、関わっている顔ぶれ、オープニングでの盛況ぶりその他。。
それら全てに偶然と片付けられない導きがあったようだ。

良い展示にはきっとそれが形となるべくして巡り会う運命的なつながりという物が欠かせないと思う。
経済力や、その他一方的なパワーによってのみ成り立ったものには、やはりそういう空気が微妙に伝わってきて、それが形として成り立っているという奇跡(?)への純粋な感動や、展示への想像以上の発見というものは、やはり望めない。もちろん、作品のクオリティが高い事は前提だが、展示自体の”気”みたいなものは、コントロールの外にあるものにも左右される。

アートやデザインを享受する事の喜びの大前提はそういった感動や発見にあるのだと思う。
今更言うことでもないのかもしれないが、今回の展示に関わって、改めてそういうことが感じられた。

永井さんはこう言っている。
「”頭で理解するアート”ではなく”心で観るアート”を体感する機会を提供する事ができたら。」

***

ひみつのアッコちゃんは当時多少は見ていたと思う。記憶の中におぼろげにあったのは、アッコちゃんのパパが船長だったということ。おそらく当時のあこがれの職業No1だったのだろう。異国への憧憬のような思いを馳せる事は、時が経っても変わらない気がする。
そんなことを思いふけっていたら、今回のキュレーターチームや、日本人を含むアーティスト、関係者の大半がロンドン在住で、展示が終わったら日本から離れてしまう事と分かり、勝手に異国という感じが何となく、妙にオーバーラップした。


(gt)