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03/25/2008

2つのスペースのオープンから

前回書きました2つの物件が先週,先々週に無事オープニングを迎えました。

まず、新宿駅の新南口近くにオープンした、ワインバー(お店を説明する時に、こう呼んでいるようです)
’NAKAYAMAYA’
このネーミングから、一番最初にでたアイデアがファサードとなる。
老舗っぽい名前からイメージされた日除け暖簾(のれん)。

しかし、光るNAKAYAMAYAのロゴから一旦中に入ると、

食欲をそそるような、真っ赤なテントのアプローチに変化します。


店内の様子。
永く飽きず、ノスタルジックでもデザインコンシャスでもなく
これからいろいろ変化していく器として。
オーナーやスタッフの手による味付けがひき立つように。

そして、オープニングパーティの様子。

雨の中、12坪のお店には入りきらない沢山の人でした。

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そしてもう一つの物件、渋谷のコンテンポラリーアートギャラリー
’NANZUKA UNDERGROUND'

これは鉄のフレーム(額縁)をイメージした、メインエントランスの特注ドアが取付けられたところ。

拡張の為の内装工事が終わり、オープニング前日の様子。
エレベーターホールも、ギャラリーの一部が拡張したように床がつながっている。
ホワイトキューブを引き立たせる為の、黒い前室。

所属アーティストの佃さんがペインティングをしている中、
この日、最後の掃除やら仕上など、インターンスタッフにより行われました。

作品が展示されると、白い箱にギャラリーとしての空気が流れだします。

オフィスの部分だけ、白が作り出した影のような色合いにし、
ポッカリと穴が空いた空間のようにしています。

そして、先週オープニングが行われました。
(うっかり写真をとるのをわすれていたので、
ほとんど終盤の人が減ってきたときの写真しかありませんが。)

こちらもピーク時には、動けないほどに人で溢れていました。

2つの物件を通して、当たり前のようで重要なことを感じていた。

それは、空間がオーナーに引渡され、
使われ始め、人が入ることによって初めて空間が成り立つということ。
またそれによってその場の質感が意味を成してゆくということ。

そんなの当たり前じゃないか、と言われるかもしれない。

もちろん、今まで何度となく設計をし、実際に出来上がった空間を沢山見てきた。
それらの空間が実際使われ始める瞬間に立ち会えるときはいつもとても不思議な気分になる。

明快に表現できないが、デザインなどという言葉に収まりきらないものがそこにふっと現れる。

その瞬間、自分が意図する、しないに関わらず生み出したかったのはこういうものなのではないか、と感じる。
もっと突っ込んだかたちでの考え方、というか、また一つ別の次元とでも言うのか、
それは、シーンとか、場とか、そういったところをつくっていく、というスタンスのようなことかもしれない。

今回特に、それぞれのオーナーと感性や視点が近い、ということもあるし、
自分自身の空間に対する視点が変わってきたということもあるのかもしれない。

現在自分達も、gift_labという空間をつくり、実際にそこで様々な人との出会いや、
イベント、展示などを行うことで見えてくるのは、空間と、そこで行われることが
互いに影響し合って生まれてくるシーン(場)という存在。

よく自分で、設計は人が振る舞う為の舞台をつくるようなものだと言うことがある。
人が入っていない舞台を作品と呼ぶより、人が演じ、あるいは観客も含めその間に生まれる
空気みたいなものを含めた「場としての空間」を、自分の立場からでも作って行けたらと思う。

(gt)