07/24/2009
'etude for everyday objects' REPORT
去る7月19日、サウンドアーティストmamoruさんによるトークとパフォーマンス、
'etude for everyday objects'が行われた。
この日は15:00と20:00の2セット、どちらかに参加していただくという構成。
それぞれどちらも休憩を挟みつつも、トータル2時間を超えるものであったにもかかわらず、
興味深いも内容で、時間は気づいたら過ぎているという感じだった。
前半に、オーストリアへいく事になったきっかけから、etudeについて、向こうで行ったプログラムのこと、
展示の事、パフォーマンスのことなどの話を、間に演奏を交えながら。
タイトルにあるように、日常の中にある何でもない物を、音という軸を持ちながら純粋な感性で
とらえ直したもの、それが'etude'シリーズとなっている。(その音なしに、それ以上具体的に
説明するのは難しいのでひかえますが。)
滞在中、クラシックの都で音楽を専攻する14歳の学生たちへの授業というエピソードがあった。
その日常のモノからでる音を体験させ、これは音楽だと思う?と問うmamoruさんに「それは音楽ではない」
否定する彼ら、彼女らが、数回の授業によって戸惑いながらも何か別の存在に気づいていく様子がとても
印象的だった。
前半の最後に、オーストリアで思いつき、制作し、収録した'etude'の為のパフォーマンス映像を、
説明を交えつつ上映。
さて、そして後半は演奏の後、この日の為に彼が考え、用意した「お手前」のようなパフォーマンスが
行われた。
試験管を半分の長さにしたくらいの細いガラス管コップに1cm立方くらいの氷を入れて全員に手渡す。
一人一人それを受け取り、そのコップに耳を傾ける。「氷が溶けてゆく微かな音」を聴く為に。
その後、同じように炭酸水をコップに入れ、またその音を聴く。とても心地よい。
最後に、mamoruさんがオーストリアから持ち帰って来たハーブのシロップをそれに加え、「聴いた行為
そのもの」を飲む。
とても心地良い時間が流れていた。
(gift_lab)