大阪重力
ちょっとした不思議な仕事の依頼をいただき、面白そうだけど中々難題。。と悩んでいた峠も
なんとか越え、やっと書いてもよいかもという気になれたので書きます。
大阪重力というトークセッションイベントの「背景」を製作しました。
いわく、「お笑いと食い倒れだけでない大阪の魅力を伝えるトークイベント」とのことで、
東京と大阪の2箇所で行われることになっています。(テツくんありがとう)
最初にもらったリクエストは、「吉本新喜劇の書割り、みたいなイメージで」ということこと始まりました。
書割りとは、舞台のセットで使われる背景画の大道具のこと。木製の枠に紙や布を張り、
建物や風景などを描いて貼付ける。書いたものがいくつかに割れるところから、「書き割り」
というのだそうです。
そこまではなんとなく分かる。とはいえ吉本新喜劇も見たこともないので、いろいろ調べてみると
確かに書き割りのお手本かのように、定規でかいたようなキッチリした構成に、変に書込み過ぎない
ベタな着彩が特徴的で、ほとんど立体感を持たない、ある意味「スーパーフラット」な世界。
しかしその背景の前で繰り広げられるのが、超ユニークなパワーをもった吉本の役者たちによる
ドタバタなコメディであることで、フラットさが対称的にはたらき、より人間味の豊かさ、深みを浮かび上がらせることになるのだと思う。(この辺りは想像の域です)
というか、これが舞台における芝居の世界の基本設定なのかもしれない。
話は戻って、では何の書割りにするか?ということで、アツい語らいが繰り広げられる(予定)の舞台の想定としては「純喫茶」の雰囲気なんかが良いのでは、ということに。
純喫茶、それなら自分の記憶の中にもあるし、掴めそうだ。
紆余曲折あってなんとか形にしましたが、設置場所の都合や、様々な条件のもと、
少ないパネル数で見せねばならず、これが難しかった。。
最初に純喫茶の空間イメージを写真で共有した後、その要素をかなりベタな「吉本風?書き割り」のタッチでやってみたときに、ちょっと物足りない感じがした。イメージとは違うものになりつつあり、若干方向が見えなくなってきたので現状を見せつつ、再度確認。。
何度かのやり取りの後、結局、ベタなタッチは良いが、最初の純喫茶の共有イメージも良かったので、そういう雑多な感じを出すためには静態した正面のアングルにこだわらなくてもよいのでは、という事になった。
次の日が入稿というタイミングだったのですが、自分でもこれで良いのだろうか?という感じがあったことに対し、客観的に言われて納得できたことで、覚悟を決めて1からつくり直すことにした。
という訳で、ちょっと前までできたモノを載せていたのですが、
やはりその絵だけ見せても意味が無いので、勝手ながら割愛させて頂く事にしました。すいません。
(イベントが終わったらまた気が変わるかもしれません。)
なにしろ、トークが行われる背景にあることで初めて機能するものなので。
実際のものは、よろしければ是非superdeluxeにて。(17日、火曜日ですが。。)
無料ですが、予約必要みたいです。